メエメエ博士の映画レビューブログ

初心者の映画感想ブログ、ここにあります(ネタバレが多いです)

メエメエ博士のエィガレビューブログ

【感想】新感染ファイナルエクスプレス 歯食いしばり映画

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2018/07/18 鑑賞

あらすじ

主人公は娘と共に釜山行きの高速鉄道に乗る。出発を待つ間、窓の外では不可解な人影が。出発してすぐ、1人の乗客が謎の痙攣を起こし倒れてしまう。救命処置を行おうとしていると突然凶変し人を食らう化け物に。釜山へ向けて高速移動している密室で、主人公は娘と釜山へたどり着けるのか。

感想

歯食いしばり過ぎて満腹です

楽しむ要素がぎゅうぎゅうで中だるみなし。一切飽きさせません。登場するもの全てを活かして、110分駆け抜けます

まず会場の面白味

基本は移動する密室の性質で楽しませてくれる。外には出られないし、車両ならではの楽しみ方も外さずにご提供。トイレやトンネルの使い方も絶妙で、高速鉄道という意味を最大限活用

そして車外ももう地獄であることも序盤で分かり、もう救いが無くなっちゃう。で、釜山まで行けば救助があるって噂にすがるんだけど、それも観ていて信憑性が無い。でもそれに行くしか無い。そんな儚さも歯の食いしばりを加速させてくる。

途中で線路が立ち往生して乗り換えたり、電車が突っ込んできたり腹ぱんぱんになるパターンの量

途中の駅でのシーンも良い。大本営発表の誘導があり乗客は従って進んで行く。しかし、主人公は独自に掴んだ情報を元に別ルートを進む。その結果、どちらもダメっていう救いのない展開。

最大限動いて見つけた希望をことごとく塞ぐことで、また車内に戻る理由を強く感じさせ、再びの車内シーンを飽きさせません

続いて巧みな登場人物演出

今作は人物の立たせ方が見事。優れた会場にて思い入れのあるキャラクターがそれぞれ効果的に使用されていく。

序盤にキャラを写していくんだけど、紹介というよりただ普通の会話を見せる。そこに不自然な人物解説セリフなどはなく軽く観られる。

なのに人物像は伝わってきて、その後それぞれの行動にぐいぐい心動かされる。その見せ方が上手です。バックボーンを明確に描かないのに感情移入させちゃう

それはやはりキャラの小さな行動をどう見せるかでしょう。本筋や人物紹介っぽくないものでも、行動一つから観客は人となりを感じ取る。その演出が見事だったのでしょう。

あと女子高生役のアンソヒが可愛い過ぎてお見事。からの終わり方の素早さ。ここまで魅力的に仕上げたキャラをあの切れ味で終わらせる、この映画すごいなぁと思いました。f:id:meimeihakase1234:20180718225225j:image

物量表現もあっぱれ

なんなんだろうね。ワールドウォーZとかよりも怖くてリアルで歯をくいしばっちゃう物量。どこまでがCGなんだろ。

列車で逃げるシーンの上からの場面とか、駅でエスカレーター降ってたら出てくる群衆とか、半端ねぇ絶望感だよね。ファンタジーじゃなく感じちゃう。
物量ゾンビ映画なのでこれは大事。

 

まとめ

いやー参りました。面白かった。
密室パンデミックものって結構ありそうだし、密室内の展開自体は王道な気がするんだけど、キャラと絶望感と舞台装置の外堀の埋め方が見事だったなぁ。

採点 84点

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【感想】イップマン3 継承 1番落ち着いたイップマン

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2018/07/17

あらすじ

イップマンは香港にて門下生を抱え、周囲の武術家にも一目置かれ、愛する妻と息子と充実した日々を送っていた。しかし目下経済成長中の香港。開発の波が押し寄せ、息子達が通っている学校も悪徳地上げ屋に狙われてしまう。イップマンは良心で学校を助けるものの、そのせいでイップマン自身が狙われることに。地上げ屋トップはマイクタイソン。果たしてイップマンはどうなるのか…

感想

今作も強くて辛いイップマン観られます

毎回戦闘であまりピンチにならず敵を倒しちゃう圧倒的強さを持ちながら、社会的に辛い環境に追いやられるイップマン。そんな中でもその強さで乗り切るから、負けないと分かっていても熱くなれる今シリーズ。

今作では今まで以上にイップマン個人が辛い状況。

最序盤からばりばり戦闘シーンだらけで、大立ち回りもこれでもかと見せてくれる。

しかし段々と守るために戦うことから、守るものに寄り添うことを選ぶのです。戦わない選択を選ぶことの重みを感じさせてくれる展開。

そして守るべきものに戦うことを後押しされ、イップマン自身の未来のために戦うクライマックス。

過去作に比べると一番スカッとしないクライマックスではないでしょうか。しかに戦闘の重みという面で満足させてくれます。

序盤からの大乱闘や、急なアサシンとのエレベーターマッチ、中盤のマイクタイソンとの1R限定マッチなど、アクション映画としての面白みも十二分に提供してくれるのでご安心を。

対戦相手が勿体無い

序盤から同じ詠春拳の使い手が仲間として戦ってくれる張天志。しかし詠春拳界でのイップマンの存在が大きすぎるため、いくら活躍しても自分は月見草。その鬱屈が爆発し、最後は立ちはだかってくる。

しかしこいつそこまで人間らしさが見えない。武道バカなのは分かるが、もともとそこまでイップマンを慕っているわけではないし、葛藤が大きくあるのかもしっかり描いてくれない。

爆発に向かうまでの段階をあまり描いてくれないので、クライマックスの対戦相手としては微妙でしたね。あまり相手として燃えない。

まとめ

正直今作はマイクタイソンの贅沢な使い方も含めて全体的にアクションのカタルシスが弱いです。ストーリーも分断されている気がして。その分家族周りに魅力を割り振ってるんだけど、少し残念かなぁ。

そう考えると2のラスト、ボクサー相手に蹴りを使うのか否かが異様に燃えたのでそっちの方が好きです。

アクションシーンは保証します。

採点 68点

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【感想】2バッドガイズ まぁ酷い映画でしたよ…

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2018/07/16 DVDにて鑑賞

ジャケ借りしましたが…

あらすじ

主人公フレンチは格闘技道場の師範だが金が無く立ち退きを迫られる。道場を守るべく金のために曰くつき借金の取立屋をすることに。そこでバディとしてあてがわれたのが飲兵衛じじぃのスー。腕は確かだと言われているが、風貌からは分からない。スーに付いていきながら仕事を始めるのであったが…

感想

アクション映画というよりアクション多め日常系映画

アクション映画コーナーに置いてあった本作。たしかに体術は強い。相棒のスーも元ボクサーらしく普通に戦える。そんな戦闘能力を活かして局面を打開していく。しかし、この映画は日常系でした。

アクションをする事で盛り上がる展開を作ってこない。映画としてはなんか惰性でアクションしているかのよう。その分どうでもいい二人の会話でほんのりと楽しんでほしい、みたいな映画。

例えるならアクション展開の多い『まほろ駅前〜』みたいな感じ。まほろより全てが数段つまんねぇけど。

前半は繋がりの少ない、ただ目の前の敵をなんやかんやでぶっ潰して金を奪ってくだけ。後半はよく分からないままアクシデントに巻き込まれて、盛り上がらないラストで終わる。

いくら日常系って言っても面白くなさすぎるわ。クライマックスの2対2の撃ち合いシーンなんて、よくこれでアクション映画って言えたなってぐらい低レベルな展開。

二人の背景とかあまり見せないんだけど、いざスーについて少し見せる場面は退屈は一人喋りだし。

軽い映画。というか重くシリアスに出来るほど重みのある完成度の高いシーン皆無。だからまぁ軽く観るかって感じなのに、チャプター間で挟んでくる白黒家畜映像とか、まじいらねぇじゃん。主人公達にかぶせて嵌められて死期が迫っていく感じとか、そんな雰囲気出せる完成度じゃねぇだろ って話ですわ。

まとめ

ジャケ借り失敗パターンでした。アザーガイズ』みたいな傑作バディものを期待したのになぁ。

採点 20点

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【感想】スターシップトゥルーパーズ レッドプラネット 好きなシリーズではあるが

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2018/07/16 DVDにて鑑賞

このシリーズは大好きで追ってます。
前作からからアニメ映画となりましたが、「傑作の1」から「密室劇の2」への振り幅を体験しているファンにとっては余裕余裕。アニメであってもバグ相手にどんちゃん騒ぎしてくれればオールオーケー。
というわけでシリーズ5作目、4に続くアニメ作品をDVDで鑑賞。

 

あらすじ

主人公の英雄リコ大佐は火星に左遷され、火星人の落ちこぼれ部隊を指導する立場に追いやられていた。

防衛軍総司令官に就任したエイミースナップは、支持率重視の政策を行い、今回バグの母星への総攻撃を画策していた。

その裏で突然バグの群れが火星に出現。一気に制圧された火星にて唯一戦えるなは落ちこぼれだらけのリコ小隊のみ。

なぜバグが突然出現したのか。理由は分からぬまま英雄リコは火星を取り戻すべく降り立つ。

感想

王道すぎる展開+テンポ良すぎてシリーズ未鑑賞者には面白くないかも

展開自体は王道。「過去の英雄が左遷され、弱小軍団を鍛えてチームとして功績を挙げる」パターン。

なんだけど、キャラクターのバックボーンについての説明をほぼほぼすっ飛ばしての90分なので、予備知識必須でしょう。

主人公のほかに3人ほど重要キャラが居るんだけど、今作以前のことの説明ゼロだから関係性や行動理由に深みを感じられないでしょう。前作とか知っておく必要あるかも。

それも相まって戦闘シーン以外そうとうタルいです。政治的な部分が全部上っ面で滑ってるような説得力の無さ。なんでなんでしょうか。

戦闘シーンも悪くはないけど、やはり多数のバグを常に相手にするためパターンが生み出せない。武器も普通の銃とミサイルの2パターン。

一番面白いのは主人公リコ単体vsバグ達。リコの起点と戦闘能力が十二分に描かれてて楽しめます。

集団になっちゃうと、戦って押し込まれて空中支援してもらう ってパターンになりがちでね…ちょいと飽きる。

 

まとめ

めっちゃつまんないわけではない、と思うけど面白くもない。ギリ合格点未満のシリーズ5作目でした。

 

採点 49点

 

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【ネタバレ感想】レディー・プレイヤー1 今観ないでいつ観る

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2018/05/14 新宿バルト9にて鑑賞

 

遅ればせながらようやく鑑賞
毎回話題作を観るのがおせぇ
そして、更新が久しぶりになってしまいました。

 

感想

いまこの映画を観ないと

「ゲームの世界でわーわーやって140分は長い」と敬遠してた自分に喝だ! もうね、面白すぎる。その一言に尽きる

最初住民がそれぞれ自室にてVRゴーグルをかけて楽しんでる様子が流れるんだけど、それはなんだか滑稽に見えてた。VR元年を過ぎて現在だとそう見えちゃう。でもその姿が終盤だとかっこよく見えちゃう。そのぐらいVRの世界への入り込み方を観客に促してくる。

VRをつけたことある人なら分かるけどすごい没入感。だからやってる人があそこまでのめり込むことに納得しちゃうし、想像しやすい未来。でもまだ来てない未来。そんな時代性を体感しながらこの映画を観られることに感謝です。

ってことは今観よう!
少し前なら突飛なSFで「まぁフィクションだから」と普通に楽しむものを、「サイエンス(少し先ならノン)フィクションかも」ジャンル映画としてわっくわくしながら楽しめちゃうよ!


世界目線で考え抜かれた偉大なアイコンの使い方

そういう意味での没入感をさらに加速させるのは、各世代各国誰もがテンションの上がるアイコンを100点で入れてくるところ。

僕は古い映画もポップカルチャーも詳しくないのでオマージュとか全然気づいてないけど、おそらく観客が「この舞台なら俺もこうする!」ってキャラクターが多い。言うなればこの舞台で観客が求めることを全部やってくれた満足感を提供してくれる。

アバタースキンや装備を自由に変えられる世界なら自分はどうするか。偉大なアイコンをプレーヤーが自由に使ってくるからこそ、テンションも上がるし自分に置き換えて想像しちゃう。

俺ならグレンに乗りたい!で、相棒のラガンと声合わせて合体したい!


応援しやすい土壌づくり

邪念抜きで乗っていける背景づくりもこの映画には最適。

ゲームマスターは現人神みたいな立ち位置ではあるけど、終始その人間味を提示してそれで話は進んでいく。

文字通りのオアシスを作った動機が、感情移入しやすい等身大そのままのもの。人間だから犯してしまった失敗や後悔。そして継ぐ主人公も仲間もみんな等身大。そこの提示の仕方、配分、物語上の必要性がとてもよい。これが140分を長くさせない推進力。

悪役に一泡食わすパスワード周りのやりとりとかその象徴だと思う。デジタルの突飛なSFを、今現在の日常と地続きに引き寄せる。だからこそ観客はヒューマンドラマばりに登場人物の心の動きを捕らえられる。だからアガって感動できる。この映画良くない?

 

まとめ

一見突飛でありえないSFなんだろうなと思う設定を、徹底的に僕たちの物語にしてくれる。そんな丁寧さをフルに感じる140分。

とっても上質に乗っている最高娯楽映画。どんな上映スケジュールの時でもこれ観て間違いじゃない。誰相手でも楽しませる映画です。

 

採点 90点(シンプル楽しむ映画最高峰)

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【ちょいネタバレ感想】聖なる鹿殺し 居心地の悪すぎる思考実験

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2018/03/21 新宿シネマカリテ鑑賞

あらすじ

心臓外科医で有能な主人公。医者で美人で理解ある妻、一姫二太郎で優秀でちょい反抗期な二人の子供と理想的な家族の大黒柱でもある。そんな完璧な人生を歩んでいる。

しかし一つ異物が存在する。主人公が昔手術をしたが既に手遅れで死なせてしまった患者の息子。この少年に対し負い目を感じ近づいていく主人公。

距離を縮めていき少年を家族に会わせることに。楽しく交流を図るのだが、その後子供二人が謎の奇病に。果たして何の関係があるのか。

 

感想

ハンパない居心地悪さ

今作は人間しか出てこない。はずなのに主人公が接する少年は人外にしか見えない。人なんだよ、でも人の皮を被った怪物なのか妖怪なのか。はっきり何かおかしい行動をするわけではない。でも明らかな違和感。この圧倒的存在感の時点で勝ったようなもの。

そんな人外と距離を縮めていく主人公。序盤から意味がわからない。なぜこんなやつに接するのか。

そして主人公の最も大切な家族と人外を触れさせる。別にそこじゃ何も起こらない。でもそのうちに人外と無関係なところで、子供二人にある現象が起こる。

理想的で主人公が最も守りたい家族と、触れる必要が無さそうなのに接していた人外が交差した瞬間、ためにためた違和感が爆発する。

 

ここまでの前半が傑作です。

 

傑作を支えるのは映画全体の舞台演出の素晴らしさ。

日常を切り取っているのに日常に見せてくれない。普段見ているアイレベルでシーンを普通に写してくれることは少なく遠景ぐらい。二人が近づくと片方だけを写して終始不安定感を醸し出してくる。普通に歩いているシーンも上から写したり、普通にそこにいる第三者と感じさせない。下から撮ったり、アップ多用したりして全く楽しそうじゃない。

家族映画なのにホームビデオの対極にある映画。この突き詰め方が生み出す徹底した居心地の悪さ。これは味わう価値がある。当たりです。

そんな舞台だからこそ、明らかなる人を明らかなる人外として受け止めちゃう。凄い映画体験ですよ。

 

後半は思考実験映画

人外と家族が交わった結果から始まる後半は、まさしく思考実験映画。そこからはまるでノンフィクションに感じる。

後半だけ切り取ったら飲み込めないだろう。なんだこの世界とか結局何よって。何だけど前半の優れた舞台演出のせいで人外と現象を受け入れた観客は、全く違って見えてくる。

その舞台で実際の家族はどう行動するのか。狂いそうになりながも理性的に行動しようとする大人と、無垢で利口な子供達が運命を受け入れる姿を、前半で植え付けられた「観察者」という立場としてだだひたすらに観察する

決着の付け方もそこだけ切り取ったらハッキリ言って滑稽。あれだけ見たらコントかなって笑えてくるレベル

でもノンフィクションとしてここまで観ていると、あの行動を選択するのは頷けてしまう。あぁそうするよなぁって。

常に浴びせられる違和感と、この舞台でもがく家族に接した僕らはいつのまにか同じ目線に立ってあの行動に納得する。

それって映画体験として正しいし上質過ぎるでしょ。

まとめ

前半傑作 後半思考実験の実写化
なのでこれは観る価値おーいにあります。

映画観終わって「これは言葉にすると難しいなぁ」って思っていたので、僕の読解力再構成力ではこれが限界です。

ただ一つ言うなら、研ぎ澄まされ方向性の徹底した演出に飲み込まれ、この舞台で家族は僕はどうするのか。そんなことで頭が10割になる。この映画は体験するべき。

採点 81点

【感想】LUCKY かっけぇ爺さんのかっけぇ悟り

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2018/03/21 渋谷アップリンク鑑賞

あらすじ

アメリカの片田舎でひとり生きている年寄り爺さんのラッキー。毎日起きて牛乳飲んでコーヒー淹れてヨガやって行きつけの喫茶店行って、帰ってクイズショウ観て行きつけの飲み屋行って帰る。街全体が友人ではあるけど、ひとり力強く生きている芯を持ったじじぃ。

ある日ルーチンをこなしてたらふらっと来て倒れちゃう。原因は病気とかではなくただひたすらの加齢。初めて自分にも肉体終わりがくることを実感する。

果たして自分はひとりなのか。それともひとりで死ぬのは孤独ではないのか。死を向き合って理解する人生の終わりとは。そんな映画です。

 

感想

堅物で本音が分からない爺さんが人生を悟る姿

主人公のラッキー。こいつがひとり飄々と生きてるんだけど、行く先々で顔見り知りばかりだから劇中の口数は少なくない。でも皮肉や口の悪いジョークばかりで本音を全く語らない。素直に心中を吐露するシーンはほんの少し。

なんだけど、映画だからひとりのシーンもそのまま見られるわけで、観客は無言のじじぃから人生観の変化を感じ取ることが出来る。ここが上手い映画。

同じルーチンが繰り返されるんだけど、同じ繰り返しではない描き方や演出も映画的。カメラアングルや音楽、座り位置や小道具の使い方で、やってることや場所は一緒でも変化を感じちゃう。

主人公を演じたハリーディーンスタントンは有名な俳優らしく、しかもこの映画の撮影後死去。よぼよぼだけど強い芯と積み重ねた過去を、言葉や映像ではなく姿で感じさせる生き姿は素晴らしかった。この映画この役どころが遺作って映画俳優として満点でしょ

 

主人公を取り囲む友人の人物像も良い

主人公はひとりだけど孤独ではない。そうより一層感じさせるのは、取り囲む人々の人間的な素晴らしさも大きい。

絵に描いたような聖人君子ではないけど、それぞれが人生を重ね自分らしく生きてきた味のある人間。最愛の人を見つけ、その人を愛することで自分の弱さを受け入れられたあいつ。リクガメと同居し人生を捧げることで、人生を自分のものにできたあいつ。

それ以外にも喫茶店の優しいマスターや、たまたま会った退役海兵隊の軍人。ウエイトレスや弁護士。

それぞれとがっつり関わるわけではないんだけど、小さな会話から人間らしさの交流が感じられて心地良いし、その結果ラッキーという人間は終わりとの向かい合い方をどう悟るのか

全体として飾ってないからこそ人間味をそのまま感じて、すごく嫌味のない道徳の勉強した感じ。全く押し付けがましくない。そう考えると1本の映画として観る価値あります。

 

まとめ

久しぶりに映画を観て感想書くから、消費カロリーの無さそうな映画を選んだけど正解です。
お粥みたいな飲み込みやすさだけど、体内で消化するときに身体にめっちゃいい影響を与えてくれるような。
副作用の無い、けれども人間として日々社会で生きてる人にはエネルギー出る良作でした。

 

社会人になって喫煙者になった僕ですが、ずっとアメスピのオレンジを吸ってるのでなおさら喫煙シーンが美味そうで美味そうで。喫煙者にとってはさらに良作ですよ。

 

誕生日に、降雪の中家からひとり飛び出したことは正解でしたね。

 

採点 70点

お久しぶりです。今日で23歳になりました。

数少ない僕の文章を読んでくださる方へ
お久しぶりです。メエメエ博士です。

またしばらく空いてしまいごめんなさい。

 

やりたくないけどやるしかないことに直面してる状況のなか、それ以外の時間や嫌な事の対価を使う対象がない。そんな希望が見えない人生の停滞期に、自分の人生を少しでも忘れられる。それが僕にとっての映画鑑賞です。

なので本質的な映画好きじゃない。子供の頃から映画観てるとか、映画中毒とかそういうレベルではなく、人生のセーフティネットみたいな立ち位置に映画を置いている人間です。心底の映画好きと言うと語弊があると思います。

 

ここ2ヶ月は映画を観ませんでした。なぜなら恋してました。停滞期じゃなかった。

17年は三人の女性に振られ三分間しか彼女が居なかった僕ですが、懲りずに本年もとある女性にアタックしておりました。

 

映画好きでラジオ好きでとても話の合う女性。仲良くなったきっかけも『勝手にふるえてろ』の感想を同じ熱量で語り合えたから。

話していて一緒に居てとても楽しい。それが一番の決め手ですね。


そして今月頭に無事付き合いが始まりました。三年ぶりの彼女です。ありがとうございます。


狂喜乱舞なんですけど、やはり相手も僕と同じこじらせた人間です。この間もドタキャンをされました。

 

直近のドタキャン理由を聞いても

なんやねんそれ

と思うものでしたが、やはり付き合ったとて他人同士。まだまだ日が浅いですし、相手に無理をさせるわけにはいきません。

 

なんせ私はその人のことが好きですし、距離をもっと縮めたい。なら嫌われたり「こいつと合わないなぁ」とおもわれたら終わりです。なので、僕だけが発症している付き合いたてブーストを抑え落ち着くことにしました。

 

付き合ってある程度時間が経って、関係性が固定化されたら無理せず伝えていってもいいと思いますが、今は時期が違うでしよう。僕が抑えて我慢するしか無い。


実は今日3月21日は私の誕生日なんです。しかも祝日! 相手も祝日休みですから会いませんか?って提案したのですがこれも却下… 誕生日と相手はおそらく知りませんからね


まぁ上手くはいきません。

というわけで映画の時期が到来しました。映画を観て自分の人生を忘れましょう。

 

映画だって必ず主観を通してしか感じられないので、自分の人生とは切り離せないんですけどね。まぁ今の自分が観て生まれた感想は今しか出ないわけで。それも味わいながら感想を吐露しようかとおもいます。


今までなら映画観ても、カップルの仲の良い姿を見ると中指を立てていましたが今はそんな必要はありません。

今まで通り映画を味わってなお、形式上彼女がいます。これは過去の自分より幸せだろう。

そう言い聞かせて、映画を戻ろうと思いました。


今後ともしばしよろしくお願いします。

また現実に戻るまで

 

 


自分勝手でごめんなさい。でも自分勝手が出来るのは電脳世界しかなくて

【感想】エンドレス・ポエトリー ハッ⁈

f:id:meimeihakase1234:20180121075226j:image2018/01/20 渋谷アップリンク 鑑賞

 

『ロストインパリ』を下高井戸シネマで観た時に今作をチラシで見つけて、それ以降ずっと気になっていた。各地の評判と、「生きろ!生きろ!生きろ!」のキャッチコピーに惹かれようやく鑑賞。

あらすじ

アレハンドロ・ホドロフスキー監督の自伝的前作『リアリティのダンス』の続編。チリを舞台に自我の目覚め、両親との対立、芸術家たちとの出会い、様々な初体験が主人公の若きホドロフスキーを成長させていく。
青年が芸術家への道をどう進んでいくのか。その過程を描くとともに、生きることを後押しする人生賛歌映画。

感想

1番みちゃいけないやつ

この感想を言う資格が僕にあるのか分からない。でも僕の率直な感想を言っていいなら、加点0点。面白さがない。観ていて辛い

うわーつまんねぇな 荒いな って減点するわけでなく、なんかやってるんだけどどこで面白がっていいのか全く見つからない。あそこ良かったなぁって加点する要素が無い。

ザフォール落下の王国 観た時と同じ感覚。よーわからんし、これを観客が観るための理由が見出せない。

今までの過去最低映画は『それでも恋するバルセロナ』でしたが、今作はそれを下回ったと言いたい。

何をどう楽しめば良いのか。僕には理解できません。何を観させられているのか。

 

芸術家って一般論として頭おかしいやつが多いじゃん?芸術家の語ることって一般人に分からんベクトルで意識高いことでさ。

その結果現代アートとか言って訳わかんないもの作ってドヤ顔展示するじゃん。

あの「なんやねんこれ。意味分からんわ。」って感覚を全編に渡って味わうことになりますよ。この映画は。

こんなに長い2時間ない。下手な2時間半映画より長い。マジで体感3時間でした。

 

伝えたいメッセージは僕が常に言ってもらいたいことで、本とか別の媒体にて好き好んで浴びてきた方向のもの。だからベクトルは好きなのに、映画としてゼロだから困っちゃう。もっと分かりやすく「生きろ!お前がお前の人生を歩んで良いんやで」ってことに沿った映画作って欲しかった。

 

素晴らしいって言う人も多いから僕もこの映画にたどり着いたんだけど、はっきり言わせてほしい。

僕にとってはホドロフスキーのオナニーを見せつけられた2時間1800円。

そりゃあ究極的には映画なんて全部、監督のオナニーなのかもしれないけど。特に自伝的映画ならなおさら。

だとしても一般人に歩み寄ったオナニーと、完全自己満オナニーは違うから。今作は完全に後者。

僕はこいつのオナニーについてけなかった。それだけです。

 

何が面白いねん

だれか教えて

僕が悪いのかな

 

まとめ

芸術に精通してない。審美眼も芸術的感受性も何にもない。そんな普通の面白味無し人間はこれ観ちゃダメです。

採点 0点(史上最低点)

 

 

【ネタバレ感想】ルイ9番目の人生 ファンタジーでパッケージングされた二流サスペンス

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2018/01/20 新宿ピカデリー

『ザフォール落下の王国』『パンズラビリンス』が嫌いな私が、それっぽい作品を観てきました。

あらすじ

生まれた時から毎年死にかける大事故を起こしながらも、今年で9歳になる主人公のルイ。しかし9歳の誕生日にピクニックに出かけ、崖から転落しまたもや死にかける。一命は取り留めたが、昏睡状態となった主人公。

なぜ主人公は転落したのか。担当医となったパスカルは、主人公の母親ナタリーと関わりながら真実を知ろうとする。

感想

映画全体のコーティングは良い

はっきり言うと物語は二流クライムミステリー。話自体は世界仰天ニュースとか、アンビリバボーでやってるノンフィクションのほうが面白い。

この映画の特徴は、そんなつまんない話を「何度も死にかけた数奇な人生」って神秘的な観点から扱うところ。骨組み自体は良くある話でも、それまでの回想と昏睡状態の描き方で映画にする存在理由を見出している。

主人公は劇中ずっと昏睡状態。でも脳は起きていて回想とかファンタジーの世界を見せてくれる。昏睡中の脳は海になっていて、海で怪物とあったり物思いにふけったり。ここら辺は映画的で面白い部分ではありした。

キャラはちょいちょい良い

父親・かかりつけカウンセラーなど良いキャラが出てきたので、話がつまんなくても見所はありました。

特に父親に関しては、謎が究明されていくほど熱くなれる展開が待っていて見応えあり。父親の表情をクライマックスでも使ってくれて、父親関係のシークエンスは褒められるべき部分。

あと、主人公がジョンコナー以来のあの前髪の似合いっぷり。かっこよすぎるだろ。僕の好きなエルファニングにも似ててかわいさも抜群。

特徴が薄い

映画終わって「どういう映画だった?」って聞かれてパッと答えられない。上記であげた映画全体の表層の加工はあるんだけど、もっと深いところだとそんな特筆する点がない。

うーんつまんねぇと一刀両断するほどじゃ無いけど、別に「面白いよ!絶対見にいけー」とは絶対ならないライン。佳作でも無い。

凡作と言った方が適切かな

 

まとめ

一緒に観に行った映画友人と同じ感覚だったのは、途中からデビットフィンチャーのゴーンガールみたいな雰囲気になってくるって点。

なのでこれ観るならゴーンガール借りて観たほうがいいよー。

採点 59点

ガルルプレゼンツ「メエメエ博士のエィガ一刀両断」評論ランキングベスト3

とある人から1通の評が届きました。

差出人は私の中高大を全て見てきた1番近しい人物であり、フィルマークス時代からずっと映画評を読んでくれた人物からです。

 

以下転載します。

 

ガルルプレゼンツ「メエメエ博士のエィガ一刀両断」評論ランキングベスト3

第3位

好きにならずにいられない

 

2018年、映画が見たくなる文言No.1に輝く予定の「おいメンヘラ!童貞で遊ぶな!!」を生み出した名評論。80分という長きに渡る映画というものを特有のキャッチコピーで切り取ることに定評のある本ブログにて、一番笑ったと有識者は語る。

自身の過去の恋愛を絡めた感想の多様性、「普通の幸せ」について考えさせられる評論。グリーンスター。

 

 

 

第2位

「(500)日のサマー」

 

世間的に名作とされている本作とメエメエ博士という、内側にしっかりと自己の価値観が形成された存在。この二つが出会ってしまった時、彼にしかできない切り口から繰り出される圧倒的な辛口評論。

フィクションだからとうやむやに納得したり、迎合せずに、バッサリ「サマーは悪人なんですよ」と言ってのけるメエメエ博士の男らしさ。

しかし、「クソですわ」で終わらせず「これを見て感動する、言う人と語ってみたいわ。そういうのもありだよね。」というマリアナ海溝張り懐の深さに思わず出ましたグリーンスター。

 

 

第1位

3時10分決断の時

 

映画の見所を端的にぼかしてわかりやすく伝えてくれることはなおのこと、自分も見なければならないのではという気にさせられてしまう評論。

何よりメエメエ博士があがきにあがいた大学4年間を見てきているから、置かれた環境に関わらず、何に命を使うのか?それについて自問自答する様に涙を禁じえない。見なければいけない映画なんだと思わされた。

同様に「タクシードライバー」もかなり感情移入できて好きで、甲乙つけられないが、先に見て衝撃を受けたのがこちらだったので1位にランクイン。迷わず男のグリーンスター。

 

 

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 転載ここまで

 

これは嬉しい
こればっかりは相当嬉しい

嬉しすぎて載っけちゃいました
なんせ書き手の気持ち10割読み取ってんだもの

おすすめ記事チョイスも、私の力が入ってるやつが選ばれてて最高の気分です。

というわけで仕事がつらみの沼にはまって疲労困憊のなか、急に送られてきた最高のプレゼントを紹介しちゃう投稿でした。

あぁあしたからもがんばろう

 

 

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【感想】ダンケルク 30万人撤退〜その時の歴史は動いた〜

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2018/01/13  下高井戸シネマ

クリストファーノーランの最新作を相当遅ればせながら鑑賞

私の中でノーラン言うたら、私に映画の楽しさを教えてくれた『インターステラー』で、以降こいつさんのは無条件で見ないといけないと思っております。

あらすじ

第二次世界大戦にて、ドイツの圧倒的力の前に英仏連合軍はダンケルクに押し込まれていた。そこからドーバー海峡を渡りイギリス本土に逃げられなければドイツ軍に殺される危機的状況。そんなダンケルクには30万人の兵士が。果たしてそんな人数を逃せられるのか…

感想

緊迫感や没入感が凄く伝わってきて凄いけど面白くない、ただひたすらの地獄を見せられた時どうすれば良いのか

この映画をどう評価するのかによって、映画を観るときのその人の持つ評価軸の多様さがバレる気がする。

娯楽映画というより、「ダンケルクからの30万人撤退〜その時の歴史は動いた〜」って最高品質再現ドラマを観ているような。事実かもしれんけど、モキュメンタリー観させられた感じ。

実際の雰囲気や危機感を徹底的再現して、史実を映画というメディアで伝える。って評価軸もってるなら100点でしょ。

それも映画に求める一部分だよねって場合ね。そういう映画も映画の面白味だよねって人。

でも娯楽映画ではないよね。

コメディとかアクションとか狭義の「笑い・爽快」的な意味での娯楽映画ではなく、感動も気持ち悪さも謎も低完成度も全て含めた意味。金払って映画館に観に行ってなんかしら得てこれる。

もうダンケルクって映画は学校の授業で観るような教材映画みたいになってる気がしちゃってね。

めっちゃ良くできてるけど気は滅入るし面白くねぇし。だから映画の質に関して文句言えないのに、特にプラスもない。良くできた教材映画としか言えんわ。

僕はその評価軸で映画を受け入れられないから1ミリも楽しめなかった。

だってずっと地獄だぜ。
日常生活が地獄だ言って、そこからの逃避のために金払って映画観に来てるのに。地獄からの逃避のために没入した場所が地獄なんだもん。

「観に行くのがお前が悪い」って言われるパターンの感想になっちゃったよ。ララランドへの酷評のときみたいになっちゃった。

でも辛かったから仕方ない。開き直りたい。映画館から出たかったからつらくて。

まとめ

インターステラーぐらい娯楽してほしい

採点 30点

 

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【感想】おとなのけんか 会話のアクション映画

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2018/1/13 東京国立近代美術館フィルムセンター

 

東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催中の「ソニー・ピクチャーズエンタテインメントコレクション」にて上映のこちらの名作を鑑賞。

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はじめてのフィルムセンターだったけど、なんか色々やってました。

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映画のポスターの企画展やってたり

 

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日本映画の歴史 的な常設展もあります。僕は難しすぎてさらーと流したけど、映画好きは楽しめるのではないだろうか。

 

『おとなのけんか』は僕のオールタイム好きな映画ランキングにて長年10位を守っていた大大好きな作品です。(勝手に震えてろのランクインに伴い11位になっちゃったけど)

 

公開時は映画に全く興味がなく、ずっと家でしか観られてなかった。って思ってたら近代美術館にてイベント上映!さすが東京やで!

ちなみに別日なら映画史上最高到達地点であるタクシードライバーも500円で観られます。ぜひどうぞf:id:meimeihakase1234:20180113190323j:image

 

あらすじ

発端は子供同士のいざこざ。木の棒で顔をバチンってやっちゃって、歯が折れる軽傷。その事後処理に集まった被害者の両親と加害者の両親。その4人がだんだんイライラして怒り狂っていく映像を観る80分。

 

感想

会話の面白味だけをギュッと

この映画80分と大変短い。特に劇場で集中できる環境で観たら「えっ、もう終わり?80分経ったん?」ってなるぐらい面白味MAX無駄ゼロ

これをあと10分伸ばしたら、その10分まるまる中だるみになっちゃうんじゃないかっていうぐらい、ノンストップでグイグイ加速して行く。

映画ってストーリー上のなんかしらの目的に向かって加速していくもの。タイムリミットとか誰か殺されちゃうとか何か成し遂げなきゃいけないとか。

でも今作はそういうのはない。というかストーリーがあってないようなもの。4人の登場人物が居るだけ。

なんだけど、その架空の4人が話してるだけでどんどん加速してどんどん引き込まれていく。めっちゃ面白いんだよなぁ。

おとなって腐ってやがる

ことの発端はこどものけんか。その事後処理のため集まった夫婦2組。初対面だし、事後処理を穏便に済ませようと互いに「おとなの対応」をする。冷静に理性的な会話をして終わらせようと。

しかし本音は別で、抑えきれず少しずつ漏れ出てしまう。だんだんとおとなの仮面が剥がれていき、ギクシャクした微妙な雰囲気に。

そこでとある偶発的なアクシデントが起こり大騒ぎ。闘いの火蓋が切ってとられた。そこから始まるノンストップ泥沼の戦い

人はそれぞれ違いすぎる

面白いのは会話の流れによってそれぞれの立ち位置が変わるところ。人間なんて色んな項目で全部違うし、ポジショントークから離れられない。

夫婦だってそう。なんかしらの決め手でもって結婚という契約を結んで居るけど全く違う。

スタートは夫婦対夫婦で、喧嘩の被害者加害者の明確な立場がある。最初だし言わば理性的に夫婦を演じてるわけだ。

なんだけど、どんどん話がズレて全員が「もうおとなって縛りどうでもいいわ」的などっちらけになって、それぞれの個人として思想やモラルや生き方を露わに激論を展開する。これが面白すぎる。

部屋内での座り位置や行動、画面構成や顔面の表情などなどで、その時の力関係や共闘が伝わってきて映画的な部分もある。やっぱり名作だな。

あなたも誰かにムカつく

観ていて誰かに肩入れしたり、コイツムカつくな〜ってのが絶対あるのがこの作品。

僕はジョディフォスター演じるペネロペに毎回イラついちゃう。最後の最後まで自分だけは正しい人間だと思い続ける。

4人ともおとなって領域から転げ落ちて居る様子を観ている僕にとっては、いまの自分を認めず棚に上げて能天気な夫を罵倒するペネロペが毎回嫌いです。

 

ただ話してるのを観ているだけなのに、はじめて観た4人の人物像が如実に現れ、観ているあなたも人として誰かに反応してしまう。

傍観者という名の5人目の登場人物として画面内のファイトを観ていたらあっという間の80分よ

まとめ

やっとスクリーンで観られて最高でした。こんな短くてこんな見応えがある面白映画。僕は他に知りません。

ガチンコファイトクラブ観ているような気持ちになってくる。

採点 95点

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【感想】ベイビードライバー はなし以外は最高

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2018/01/11 鑑賞

あのエドガーライトの作品を鑑賞。

あらすじ

天才的なドライバーである主人公ベイビー。幼少期の事故で両親を失い音楽を聴いていないときは耳鳴りが激しい。なので劇中ほとんどイヤホンで音楽を聴いている。職業はドライビングテクニックを生かして、銀行強盗団の逃し屋をやっている。
ある日ダイナーのウエイトレスに恋し、トントン拍子で仲良くなる。逃し屋から足を洗い、2人で何処か遠くへあてもなくドライブすることを夢見るが…

 

感想

エドガーライト節炸裂な2時間

音楽を聴き続ける設定を劇中歌の量として生かし、映画的に上手な音楽の使い方を徹底的にやってくる。やっぱり映画って音楽と画の組み合わせだから音楽が気持ちよくハマると、なんやかんやで本能的にアガって、良い映画ってなるよね

編集が上手すぎて、観ていて不快感ゼロの作り込まれ方。テンポはもちろんだが、エドガーライト節炸裂しまくってる。シーンとシーンと切り替えとか、観ていて段差にならない。映画に乗って何も引っかからず進んでいける。

良い音楽・良い編集ときて、キャラクターも立っている。悪いやつはとことんムカつく人間だけど、みんなバックボーンが見え隠れして邪魔にならない程度の深みを持たせる。

映画が向かう方向にとって、やりすぎてマイナスにならないラインで最大限楽しませる天才だなぁ。だから観終わってぼやっとした映画全体の雰囲気が思い返され、それが心地よい。

話はつまらんよ

本筋ストーリーとそれ以外の部分のレベルの差が激しい映画です。

映画はストーリーだけのものじゃないから、もちろん映画としての採点がクソ低いわけじゃない。2時間心地よく浸らせてくれるから良い。

でも観終わって面白かったかなぁと振り返ると、全体の雰囲気は良かったけど、どっか面白いとこあったかなぁとなると微妙になってきちゃった。

思い出せば出すほど うーん ってね。
雰囲気に酔えるならそれは良作ですけどね!充分ですけど。

 

まとめ

安定の面白さではあった。
でももっと面白い作品作ってるからなぁ。エドガーライトさん。

なので低めの採点です。

採点69点

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苦手なマーベルへの挑戦と、アイアンマン短め感想

今週のお題「2018年の抱負」

ほとんど知らない人と「映画好きです」って話始めた場合、観ている必要がある映画群があると思う

1番強いのはスターウォーズ。エピソード7が発表されて以降は絶対観なくてはならないシリーズだろう。

あとはピクサー作品。これは知っている人の幅の広さ的に最強。そしてこれからもそうだろう。

日本人ならジブリの方が一般教養と化している。映画好きじゃなくても、会話のタネになること必至。

ちょっと前ならハリーポッター。まぁ今もファンが多くて観てると大きい。

もっと前ならマトリックスとかロードオブザリングとか。


何でこんなこと言うかというと、僕自身スターウォーズを嫌々観ているぐらいこれらの作品群を観ていない。ピクサーもジブリもほとんど観てない。ハリーポッターなんて賢者の石すら観てない。

そんな僕は、映画好きな他人と普通の映画の話ができない。特に映画好きってわけじゃない普通の人と、映画好きなんですよーって言ってからお互いの橋渡しになる映画の話ができない

というわけで18年の目標をこれにしました。


「マーベルシネマティックユニバースの波に乗る」

スターウォーズ以上に「今」一世風靡しているマーベルシリーズ。今一番勢いがあるだろう。

マーベルもあまり好きじゃなく、彼女とデートで仕方なく観たアベンジャーズと、友達に観させられたドクターストレンジと、映画好きの友人にオススメされたデッドプール(これは面白かった)ぐらいしか観てない。

まだまだ広がっていくだろうその世界に2018年飛び込んでいきます!!

『ブラックパンサー』『アベンジャーズインフィニティウォー』までに、まずこれらの作品を観きります。

marvel.disney.co.jp

 

面白いとかつまんないじゃなく、一般教養として義務感で観る。スタートがそれでも面白さに触れてどんどんハマって行く可能性もあるから。食わず嫌いを辞めます。

 

手始めに観たのはこちら

「アイアンマン」

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めっちゃ短い感想

若いロバートダウニージュニアかっこよ。
敵アジトから抜け出すとこまでがピークで後半はオナニー感が強くて乗りきれず。

愛すべきロボットAI軍団はこの映画に色を添えてましたね。

試行錯誤が1番面白いってことは、今後どんどん出てくる新型アイアンマン期待して続編に臨めます。


というわけで今後もちょいちょいマーベル観ていきます。