2020/02/15 TSUTAYA発掘良品コーナーから観賞
なんでか昔から『アサルト13要塞警察』を気にいっていて、
後からリメイク作品だと知ったので、リメイク元をとうとう鑑賞。
作品情報
- 公開日 1976年11月5日
- 上映時間 90分
- 監督 ジョン・カーペンター
- 主要キャスト オースティン・ストーカー/ダーウィン・ジョストン
- 予告編
- 公式サイト 古すぎて無し
あらすじ
少年犯罪の激化に歯止めをかけようとストリートギャング6人を射殺。その復讐のためギャングたちは総力を結集し、町はずれの警察署を襲撃する。
襲撃された9分署は明日別の場所にお引越しする予定だったため、銃や防衛設備がほぼ何もなく無防備警察。
そんな日に限って、大犯罪者ナポレオンウィルソンを長距離移送中の護送車が
休憩のため9分署を訪れていた。
正体不明のストリートギャング多数に襲われ、警察は護送中のナポレオンにも銃を渡し共闘することに。
死ぬ事を厭わない山ほどの武装ギャング VS 武器ちょびっとの警察・囚人タッグのバトルが開幕っ!
登場人物
【主人公】イーサン・ビショップ警部補 - オースティン・ストーカー演
本日より警部補昇進の黒人警察官。初日から引っ越し前日の9分署署長という汚れ仕事をやらされた挙句、なぞのギャングに包囲される運の悪い良い人。
心優しく頭も切れ、随所に他のすぐ死んじゃうモブ警官との違いを見せる。大犯罪者のナポレオンに対しても、初対面から敬意を持って接し、危機には死ぬ気で銃を渡してあげるなど見た目とは裏腹なかっこよさを見せる 。変な髪型。
【大犯罪者】ナポレオンウィルソン - ダーウィンジョストン
何の犯罪を犯したのか分からないが、めっちゃ著名な大犯罪者ナポレオンさん。
初登場シーンからただならぬ色気を発揮しており、一人だけ圧倒的なイケメン。時代の古さを感じさせない立ち振る舞い で、現代でも通用するかっこよさ。
顔面だけでなく役所もめっちゃずるい。冷静で顔色を変えず、常に 一歩引いて状況を見ており、決め台詞の「煙草をくれないか」すら痺れる。
正義感たっぷりで、主人公と多くの会話を交わしたわけでないのに信頼し合っている様子が、さらにかっこよさを引き立てるなぁ。
リー「時間がないわね」
ナポレオン「時間など、元からない」
かっけぇぇ
【強い女】リー - ローリー・ジマー
9分書駐在の女性警官リーさん。今作の登場人物で最も漢らしい。
感想
良質なバディが2組でてくるゾンビ映画
『アサルト13』のリメイク元として見始めたので、「主人公ビショップと囚人ナポレオンが危機的状況下でどう信頼関係を結んでいくか」が焦点だろうなぁと思っていた。でも良い意味で裏切られた〜。その二人もさることながら、強い女リーとナポレオンの組み合わせがめっちゃカッコ良く描写されてて感動。
ナポレオンとリーが最初に出会うシーンは、収容されたナポレオンの前をリーが無言で通り過ぎるんだけど、その時は女たらしのモテ男目線で女性として見ていた。
しかし初襲撃でリーが片腕をやられ ながらナポレオンを出し、そのまま体を張ってリーを守るナポレオン。このスピード感と、上部の男女関係でなく人として信頼し合う芽生えが見られて良いシーン。
その後度重なる危機を気転と呼吸で乗り越える二人は、動かなけれ ば殺される状況下でお互い一緒にどう生き残るか、どんどん信頼を積み重ねていく。
そして今作のベストシーン。繰り返されるナポレオンの「煙草をくれないか」に、唯一煙草を持っていたリーは渡し、ついでに火をつけてあげる。この火の妖艶なことおしゃれなこと。めちゃかっこいい。昔の映画の煙草って何であんなにかっこいいんだろう。映像が荒いから?
このシーンでナポレオンとリーは信頼の上で惹かれ合っているなと 、煙草1本で分からせてくれる。
出会う事のない出会っても手を組むことのない二人が、この状況下だから共闘した結果、信頼関係を積み重ね男女を超えたバディとして乗り越えていく。めっちゃかっこいい映画でした。
敵がゾンビに見えてくる
今作の敵は全く語らない。警察に対し何か声明文を出す訳でなく、 何を考えている分からない。
あんなに大きい組織なのかと驚くほどの人数で、文字通り命知らず に同じ窓から何十人も入ってくる。突入しようとして目の前で撃たれているのに、何人も同じ形で入ってくる。
そこに狙いを定め撃ち続ける主人公たち。これは知能の持っていないゾンビ映画なのか。
今作ではギャング=ゾンビ。人間と戦っているのではないと感じさせる怖さが、今作の大きなポイント。
しかも包囲されゾンビに突撃されまくるシーンがなげぇんだ。ずっっと警察署が撃たれる。撃たれ続け、窓ガラスが割られる。「ぱしゅっ、ぱしゅっ、バリーン」ってサイレンサー銃声と割れる音だけに 主人公たちが囲まれ、、、耐える。ただ耐える。
あの長さがとっても大事。絶望感と敵 の強大さの伝わりっぷり考えると、90分映画でもここまで長くとって正解だなぁ。
始まるまでの緊迫感
警察署への暴動が始まるまでのゆっくりじっくり丁寧な盛り上がり描写が渋かった。血の決起集会、不吉な黒点話、道に迷った親子、アイスクリーム屋、獲物を狙うスコープ。
いろんな観点でじわりじわりと盛り上がって、とうとう爆発する!
そんな緊迫感描写に半分の45分を使う丁寧さが、今作が今まで残っている理由かなぁ。
まとめ
設定・構図が面白い。でももっと観たい。もっと署内での工夫とか 、意見の対立とか観たい。
そういう意味では『アサルト13』も面白かったなと再確認。今作の方が撮影とか、戦闘時のカット割りとか好き。
採点 66点