【感想】大脱走 3時間かける価値あるのか?!
途中休憩すらある
見たかったけど3時間にびびって避けてきました。今回劇場で見られると知って土曜日朝から鑑賞
2020/02/22 シアタス調布鑑賞
作品情報
- 公開日 1963年8月10日
- 監督 ジョン・スタージェス
- 主要キャスト スティーブマックイーン/ジェームズガーナー/ジェームズドナルド
- 予告編
- 公式サイト 無し
あらすじ
連合軍の捕虜を多数抱えるドイツ軍は、脱獄エキスパートたちによる度重なる脱獄未遂に手こずっていた。
そこで最新鋭の収容所を設立し、脱獄エキスパートを集め、一気に抑え込むことに。最新鋭のため厳重な設備と監視の目が光るが、脱獄王たちは総勢250人という壮大な脱獄計画を企てる。
登場人物
- 主人公ヒルツ・・・スティーブマックイーン アメリカ軍パイロットの脱出王。野球とバイクが好き。何でもできるし、かっこいい。
- ヘンドリー・・・ジェームズガーナー アメリカ軍パイロットの調達屋。軽口をたたくイケメンで、言うとなんでも手に入れてくる凄腕。人間味も見せていて、今作では影の主人公。
- バートレット ・・・チャードアッテンボロー 集団脱走計画を計画する最強軍師。初登場時は背も小さくて威圧感なかったが、話が進むにつれて存在感抜群のカリスマっぷりを発揮している。今作はキャラ立ちがえぐい。
感想
パズルが組み合わさる快感
登場人物たちはみなそれぞれ研ぎ澄まされた技能を持ち、その道のエキスパート。新収容所に集められ、ちょっとした同窓会気分で打ち合わせするも、どことないぎこちなさ。
そこにゲシュタポから特別警戒されたバートレットが後からやってきて一気に話が進んでいく。このバートレットこそが数々の脱獄をプロジェクトリーダーとして成功に導いてきた、脱獄総指揮のカリスマ。晩年自分のキャリアを振り返ってこう語る。「おれはトンネル掘りと組織作りに熱意を注いだ。でもこれは幸せだったなぁ。」
バートレットは到着後、それぞれの技能に応じた仕事を再配分し、三本のトンネル掘りを計画する。
メンバーたちは自分の特性にあった、できる仕事を任される。
掘削作業、道具作り、脱獄後の衣服作り、偽造文書作りなどといった実務部隊。掘削土処理問題、各種部品調達問題といった問題解決を思案する部隊。隠蔽工作のための造園や、音を誤魔化すための合唱団などのサポート部隊。
3時間かけた分、キャラ演出をしっかりやっていて、主要キャラで薄かったひと一人もいない。素晴らしい。
それぞれ250人が自分の仕事を一生懸命やる。全ては脱獄という希望のため。
一つの目的のため集まった国籍も人種も違うメンバーが、完璧な計画に基づき、自分の強みを発揮して、強大な対抗勢力に立ち向かう。
この構図の面白さは、今作以降にできた古今東西チームもので分かりきってる。今作はその礎として、10割10分あますとこなく、チームものの面白さに溢れてます。
軍人コミュニティと捕虜制度がよくわからん
捕虜って生活楽すぎひん?今作を観てると、捕虜は囚人と全然違うんだなぁと分かる。
今作の収容所では就寝時間以外ずっと自由。何してもOK。敷地内のどこに誰がいようが、内密な打ち合わせしてようが、ドイツ軍人と立ち話してようが注意無し。
現代の囚人の独房だと、少し伸びをするだけで「運動規律違反!」みたいに怒られるって聞くけど、捕虜収容所って違うみたい。
もちろん、脱獄計画のトンネルとか見つかったらアウトだけど、緊迫感が足りないなぁ。そりゃ計画進められるよって感じのゆるさを感じた。
その大きな一因が、収容所のドイツ空軍所長の寛容さ。脱獄どんとこい的な収容所所長と捕虜代表と話とか、よくわからない。
軍人のプライドというか、軍人コミュニティの正々堂々なのか。「やれるもんなら脱獄やってみーや止めないから」的な。
それを感じちゃうと、せっかくの脱獄計画を進めてるシーンの重みと緊迫感削がれるでしょ。
脱獄を推し進める舞台は、ドイツ側が作っているのかと思えてしまった。残念だなぁ
スティーブマックイーンは確かにかっこいい
今作のジャケットのバイク爆走に期待してたら、しっかり応えてくれた。引きでカット割りも少なく、スピード感は少ない。
その分、めちゃかっこいいスティーブマックイーンが実際に爆走してるんだなと伝わるリアル感。かっこいい役のかっこいい金髪が、かっこいい重低音で草原を爆走する。そりゃあね。
それ以外の逃走劇は微妙でしたが、さすがポスターになるバイク姿。クライマックスはここだけ良かった。
今作は長い時間をかけて、各キャラクターが立っていて、それぞれ存在感がある。誰がどんな性格で何ができるのか、観客ははっきり覚えている。
しかも、主人公ヒルツはめっちゃ活躍するかというと、ぎり1位タイぐらい。
でも結局一番かっこいいのはスティーブマックイーン演じるヒルツのバイクなんだよなぁ。凄いなぁ。
まとめ
やはり長い。今作は3時間近くあって、途中休憩も挟まれる長さ。今回映画館でやるならって思い腰をあげて初めて観たけど、家DVDなら辛く険しい長旅だったかも。
一度観ておきたい名作かもしれないけど、一度で良いです。
感想 65点