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【感想】機動警察パトレイバー 2 the Movie  日本テロ映画史上最高傑作

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2018/08/15 鑑賞

僕の好きな映画の中でも、まだこのブログに感想が無い作品が多くあります。初めて観た時の衝撃はフィルマークスに書いていたのですが、もうアカウントごと消えてしまってほんとに残念。なので本当に好きで書いておきたい作品だけ、改めて鑑賞して書きます。

その第1弾ならコレでしょう。
日本を舞台にしたテロ映画って幅なら間違いなく史上最高傑作。古今東西に広げても最上位クラスは間違いない一作です。

 

 

作品情報

 

あらすじ

横浜ベイブリッジにてミサイルによる爆破テロが起こる。現場で撮影されていたビデオを解析すると自衛隊機が映っていた。自衛隊・警察・政府を巻き込み情報が錯綜する中、警視庁特車二課の南雲後藤のもとに自衛隊調査部の荒川がやってくる。その男は事件の調査依頼を直接持ちかけてくるが・・・

 

感想

パトレイバーを知らないあなたに観てほしい

パトレイバー自体は不意に知って、なんとなくアニメを観始めたら日常系アニメとして面白くて3日ぐらいで一気見。そのあと新旧OVAも楽しんで、ようやく劇場版へ。

初めて観た時は驚きました。劇場版はアニメとかそこまでの流れ全く関係ない。キャラクターや設定は同じでも、レイバー(ロボット)が全然出てこない。アニメ版主人公だった野明と遊馬が全然出てこない。画のタッチが変わってお前誰やねんってなるくらい顔面が違う。

なのでアニメ版とかパトレイバー自体を知らなくても全然OK。劇場版1はまだ知ってたほうがいい部分もあったけど、今作の2はまるっきり別物です

全く知らない前提で観たとしても、最高のテロ映画であることには変わりません。だからパトレイバー知らなくても観よう!

日本を舞台にここまでのリアリティ

今作の最大の特徴は「日本でテロが起きたら」ってテーマを、徹底的にリアルに転がすところ。日本を舞台にしたら実写では出来ません。

まず政府、警察、自衛隊の三すくみの関係。普段は役割分担がなされて均衡を保ってますが有事にどうなるのか。次第にパワーバランスが変わっていく。

日本でド派手なドンパッチを繰り広げるわけではなく、平和以外の状況が想像できない日本社会に、1発のミサイルだけで戦争状態を想像させる。その後は日本が勝手に混乱して擬似戦争状態へ突き進んでいく。

 

物語の佳境まで基本的に犯人が何か明確な犯罪を行わない。やるのは最初に橋を落とすだけ。そのあとは政府側がひとりでに突き進んじゃう。その様子がとても納得できる。

普段から政府への不信感はゼロじゃなくて、「まぁなんかトラブルあったら、変なことになっちゃうだろうなぁ」とは想像つく。だからどんどんおかしな方向に進んでいくことを誰も止められず、いつの間に戦争になってる今作はとてもリアルなのよ!

『シンゴジラ』が好きな人は絶対好きです。あれは「ゴジラが日本に出たら」を徹底的にリアルに転がした結果を観て楽しむものですが、こっちは「日本でテロが起きたら」を転がした映画です。

 

その結果見慣れた東京が軍事的に封鎖されている。よくシリアとかパレスチナとかの紛争地域で街に住民と軍が同居している様子があるけど、あれが日本で起こる。そんなリアルな画が観られることにも価値がある。

途中にデジタル上だけを操作して爆撃テロを起こす。こここそが司令室・管制塔・パイロット・モニターの四者で進んでいく名シーン。これは観てください。この方法なら日本でも出来そうじゃんっていうリアリティが生み出す圧倒的な緊迫感。

終盤は映画的な展開。日本で大掛かりなテロがしっかり勃発。でも人が死ぬ描写はありません。道とか攻撃する時は見る限り封鎖されていて人が居なさそう。ようやく出動するパトレイバー。ここからはおまけみたいなもの。一応パトレイバーの映画だからね。

 

主人公後藤隊長のキャラクター

通常の主人公泉野明が所属する、特車二課隊長の後藤喜一が今作の主人公。

この人は温厚というかいろんなことに無気力。いろんなことを部下に任せてぽわっとしているように見える。しかし実は元々公安出身の切れ者で、頭が切れすぎるため「カミソリ後藤」と呼ばれていた。

なぜ特車二課に飛ばされたのか公にはなっていないが、自分の中で譲らない部分もあり策士過ぎる部分が垣間見えるため、上には嫌われるタイプであることは分かる。

このキャラクターはパトレイバーシリーズ全体を通しても、魅力の屋台骨。この人の組織だから特車二課が成立し、ほかのメンバーが活躍できる理由となる。でも今までは隊長であり主人公じゃなかった。

そんな後藤隊長の隊長ではなく、"カミソリ後藤"な部分をとっても楽しめるのが今作

一見よく分からない状況であっても、後藤隊長は理解して整理して提示してくれる。全てお見通しなのではないかというぐらい冷静で自分を見失わない。劇中どんな曲者が論理をこねくり回しても、それを否定せず理解した上で、後藤隊長の"正義"で応戦する。

後藤隊長が正しいことを言っていても、組織の論理で動かざるを得ないことは多い。そりゃぁただの公務員。しかし終盤この映画1番のシーンがあります。ようやく組織へ反旗を翻す場面。詳しくは観て欲しいんだけど、後藤隊長の「だから、遅すぎたと言ってるんだ!」は鳥肌たちますよ。

1ミリのマイナス点

少しだけ感じたマイナス点を挙げるならば、少しだけ説教くさい。くせぇわ。プンプンですよ。中盤なんて説教だけなのかと思うぐらい思想のやり合い。ここでの思想が映画全体を支配しているため無駄ではなく僕はすき。だけどテロ映画にこんなの求めてねぇよって人はつまらん時間が多いかもしれません。

 

まとめ

やっぱり名作ですわ。いろんな人にオススメしているんだけど、間違いなかった。なのでぜひ観ていただきたい。このジャンルの最高到達地点のひとつ。オススメしても誰かが見たって話を聞かないので、改めて鑑賞して感想書いてみました。

これ観て、気に入った人は旧OVAの『二課の一番長い日』を観ていただきたい。おそらく損はしません。

採点94点

 

 

ちなみに私の好きな映画ランキングはこちら
パト2は7位

www.meemeecinema.tokyo


 

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