【感想】MAKE US DREAM ジェラードも人間
2018/12/31 アマプラ鑑賞
私はもともとサッカー観戦が好きで、特に海外サッカー、特にプレミアリーグは昔からちょくちょく観ていました。
そんな僕にとってスティーブンジェラードといえば、小学校高学年から中学ぐらいまで、世代ど真ん中ヒーロー。
全局面に顔を出しどのプレーも一級品。からの代名詞キック力。リヴァプール=ジェラードとしてウイイレでみんな使いまくってました。(当時個人的にはランパード派だったんだけども)
アマプラでジェラードの映画が配信されていると情報が流れてきたので今年最後の映画として鑑賞。
あらすじ
ここに一人の神がいる。スティーブンジェラード。イングランドプレミアリーグのリヴァプールFCに8歳から加入し、リヴァプールの全てを20年近く背負ってきた男。この映画はサポーターから崇められる伝説の選手、スティーブンジェラードを人間に戻す物語。
感想
スティーブンジェラードの弱さを打ち出す
スティーブンジェラードは歴代サッカー界で一番といってもクラブ愛やキャプテンシーで語られる選手だろう。そのぐらい世界一の実力と認められる選手であったにもかかわらず、移籍を断り続けルーツのクラブを支え続けた。
生え抜きのスター選手って他のクラブにもいるけど、ここまで不運というか泥舟に乗らされ続けた印象の人は居ない。
なので、普段の論調としては「凋落するクラブを一人支えるスーパーマン」として描かれがち。
しかし今作では全編にわかって「マジ泥舟できつかったわ」と語られる。これが本当に見応えある。
ジェラード時代のリヴァプールってマジで散々。これは動かしようのない事実。世の中でのサッカー・プレミアリーグの立ち位置が変わり、スター選手一人や現場だけでは勝てなくなってしまった。そんな潮流の変化に乗り遅れ、選手層は極薄。
そこでもなお上位に食らいつけたのはジェラードが居たから。そこでの苦労を120パーセント描いてくれる本作は、サポーターも納得する。
辛く長い人生だからこそあの瞬間がある
ドキュメンタリーとしてはとても暗い作り。常に辛い。画として明るい試合も、試練の場なので辛い。サッカーの90分走り続けて歓喜の瞬間が少しあるかないかという残酷な部分を存分に味わえる。
辛いトンネルを抜けて生まれるのがあの「イスタンブールの奇跡」である。だからこその歓喜・パワー。早くたどり着いてくれ、と観ていて必死でした。
サポーターなら分かってるんだけど、映画のクライマックスはあのスリップになっちゃう。なので悲しいことが分かっている後半は観ていて辛かった。気をつけろしっかりトラップしろって思いながら観てました。
あと試合映像にスタジアルのサポーターのスマホで撮ったブレブレ、でも本物の熱が入っている動画を頻繁に差し込むので、映画におけるサッカー演出としてもダレさせずにとても良い。
まとめ
「スティーブンジェラード100ゴール」というそのままの100ゴール集DVDがあるんだけど、ただのゴール集じゃなく工夫されていてこっちもいい出来。数年前の誕生日にもらいました。
今作の内容は、スティーブンジェラードに興味を持ってる人なら想像つく内容。でもやはり本人がまじめに「辛かった」と吐露し、実際に辛そうな映像を観ちゃうとより愛着が増します。
観たらそのあと全員YouTubeでゴール集見るでしょう。
今年最後の映画にふさわしい、一人の偉大な人間の人生を感じさせる重みのある一本でした。
採点 65点