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【感想】ハクソー・リッジ 戦争映画の主役じゃない衛生兵の輝かせ方

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2017/12/30 渋谷アップリンク

今年も1年間お世話になりました。

観たかったのに見逃していたので、「アップリンクの見逃した映画特集2017」で鑑賞してきました。初渋谷アップリンクでテンション上がっております。

あらすじ

第二次世界大戦末期、沖縄前田高地を占領しようとアメリカ軍は攻撃を仕掛ける。しかし日本による徹底的な反撃に遭い、撤退を繰り返すこことなる。

しかし、死屍累々となった戦場にて1人走り回る男がいた。デズモンド・ドス。銃もナイフもグレネードも持たず、敵も味方も関係なく、ただひたすら1つでも多くの命を救おうとする衛生兵。

なぜデズモンドが人の命を救おうとするとか、なぜ何の武器も持たずに戦争に参加しようとするのか。実際に75人の負傷兵を救い、名誉勲章を授与された男の生き様に迫る。

感想

地獄で異端児が輝く姿は泣ける

魅力を挙げるならまず圧倒的リアリティな戦場。

五感に響く戦場描写に圧倒されちゃった。びびって進めない兵士の姿を見て「いやぁ進めないよこりゃ」って同情しちゃう、そのぐらいの地獄。

敵の日本兵は人間の心を持ってない悪魔のように描かれ「これ本当に勝てんのか」って絶望感が大きい。ラストは前田高地をアメリカ軍が占領出来るんだけど、その様子は見せてくれず怪我したデズモンドを運びながら報告される。終始勝ったり相手を倒したりする戦争映画で当たり前のカタルシスはゼロ

そんな絶望感に覆われる戦場で1人何も持たず、やられた味方に駆け寄って手当てして運ぶ唯一の男。主人公デズモンド。味方がうまくいってるときは出番なく、敵に押されると必要になってくる衛生兵という仕事。戦争映画の主役は突撃兵や指揮官や1人で何人も倒すスーパーマン。衛生兵は他の人に「メディック‼」って呼ばれるだけの存在にすぎないことが多い。そんな衛生兵が輝く展開は燃える

「兵士に志願します。でも銃は絶対持ちません。」って頭おかしい扱いされていた主人公が、自分の信念を貫いた結果を示してくる。

味方が撤退してるなか、1人ずつ運び1人ずつ降ろし1人ずつ助ける。そのとき神に「もう1人だけ助けさせてくれ」と祈っている。で必死に1人助けると「もう1人だけ助けさせてくれ」と懇願する。どんなに迫害されても銃を持たないことで信念の強さを感じさせた主人公が、何でも良いから目の前の1人を助けたいと神にすがる。その必死さが伝わってきて、衛生兵の働きにより一層感動しちゃう。


この異端児が生まれるまでの過程描写はテンポ良く分かりやすく良かったです。なんでそんな極端な人間が生まれたのか、尺はそんなに長くないですが両親の経験や幼い頃の体験を元にした宗教観など、納得いく形で提示してくれるので好き。前半パートのアンドリューガーフィールドが純粋無垢そのもので素晴らしかったなぁ。

まとめ

あっぱれメルギブソン!しっかりと面白かった!
助けるシーンの繰り返しでダレるかなと思ったけど耐えきったし。

今年中にみられて良かった1作

皆さま良いお年をお迎えください

採点 86点

 

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