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【ネタバレ感想】ブリグズビー・ベア 今年ベスト作品

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2018/07/27 ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞

あらすじ

両親と3人暮らしをしている25歳主人公は、外の世界へ出られない。外は毒ガスにあふれて生活できずシェルターの中のみで生きてきた。そんな彼の楽しみはブリグズビーベアという子供向け番組を毎週観ること。狭い世界の彼にはブリグズビーベアが全てだった。

ある日突然謎の兵士が家に押し入り、両親を連れ去っていく。彼は25年間誘拐されており、両親は誘拐犯として逮捕されてしまった。本当の両親と25年ぶりに再会し、新しい真っ当な生活を始めるのだが…

 

感想

新時代のニューシネマパラダイス

見終わった心身の興奮は初めてニューシネマパラダイス観た時と一緒。「あぁ自分が好きなことを信じても良いんだな」って勇気づけられてる。

「好きなことを信じていい」って、映像作品好きを題材にした映画で嫌味なく言われたら、映画好きにはこれ以上なくスッと入ってきちゃう。

最初はルックスの面白さや明らかな子供向け作品風の映像に笑ってた僕は、ラストのビジュアル的にはあまり変わってない同じような映像で泣いてました。しっかりと拭わないといけないぐらいに。

 

あなたもブリグズビーベアの世界に監禁されちゃう

この映画がなんでこんなに入ってくるんだろうなぁって考えると、徹底的に大人な現実世界の論理を排除してくれているから。

序盤主人公はブリグズビーベアの世界に閉じ込められてる。現実の世界なのに『トゥルーマン・ショー』みたいに全てが制御された世界。普通ならある刺激や規則が無い。その結果ブリグズビーベアだけで世界も主人公も構成されてしまっている。

そんな世界を飛び出し一般社会に出てくるんだけど、主人公の出せる引き出しも興味も全てブリグズビーベア。なのでもちろん社会には適合できない。ここまでは至って当たり前の話。

そこから、年代の近い人・同じセンスを持ったネット上の人・演劇に昔情熱を燃やした大人とかが感化されていく。一番障壁となる家族や医者、警察などのお堅い国家権力サイドも認めていきどんどん輪が大きくなっていく。

なぜそんなおかしなものを認め感化されていくのか。そこにうるさい大人びた論理は介在してない。あるのは「ブリグズビーベア本来の魅力」と「主人公の"好き"という気持ち」だけ。これこそがこの映画の肝です。素晴らしい。

大人のお説教はあっても、主人公は大人を論理で説得したりしない。ただひたすらやりたいんだ、好きなんだだけで突っ走る。主人公の建設的な前向きなセリフって、ブリグズビーベア関連以外無いんじゃないかって思えるほど何にも言わない。言葉ではごちゃごちゃ言わない。

好きすぎて社会に適合してない行動を起こすこともあるんだけど、それも劇中の好きパワーでなんとかなっちゃう。そこまで観ている僕たちも許してしまうんです。

当たり前の普通の社会なのに、好きって気持ちでいろんな論理をすっ飛ばして、物語が進んでいく。正統な社会が、序盤の異端とされたブリグズビーベアに支配された社会になっていく。原動力は好きって気持ち。それを心地よく見せられちゃう100分。最高すぎる!

そんな物語を観て興奮している僕も、ブリグズビーベアに支配されているのは間違いない。

まとめ

映画1本観て、好きが最強の世界に支配されるって最高な映画体験。見えてる景色が少し変わって、これからの選択も自ずと変わるでしょう。観てよかったし、今後も観て思い出す作品になりました。

採点 92点

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